トップレベルの野球選手はどんな動きが優れているのか
米国メジャーリーガーや日本のプロ野球選手の中でも特に優秀な選手達は、力強いバッティングに欠かせない下半身の安定性・守備や走塁に必要となる瞬発力・正確なスローイングを可能にする上半身の筋力などが非常に優れています。
もちろん普段の野球練習でそれぞれの動作は身につきレベルアップしていくものですが、やはり突き抜けた強さと正確性を身につけ野球のための体の土台を作るなら、野球に必要となる筋肉を筋トレで鍛え上げることが必要となってきます。
野球に必要な筋肉とは?
どのようなスポーツにおいても共通となりますが特に野球選手が鍛えるべき筋肉は、全ての動作の土台となる下半身の大腿筋や大臀筋、バッティングやスローイングなどの捻り動作で威力を発揮する背中の広背筋や脊柱起立筋、細かな動作で瞬発性をもたらす肩の三角筋や胸の大胸筋などです。
細かく言えばまだ鍛えるべき筋肉はありますが、大腿筋・大臀筋・広背筋・脊柱起立筋・三角筋・大胸筋の6つの主要な筋肉をまずは鍛え上げることが先決となります。
この6つの筋肉が十分に強くなり、野球の動作レベルが格段に上がったと感じたときに、その他の細かな筋肉を鍛えれば、さらに効率よくうまくなることができるでしょう。
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野球の基礎を固めるための筋トレ基本5種目
スクワット
下半身筋トレの王様といわれるスクワット。野球のバッティングや守備などのとき、爆発的な瞬発力を生むための強固な構えを維持するためにもっとも必要な筋トレといえるでしょう。
スクワットを行うときは太ももとお尻で動作をコントロールすることを心がけ、バッティングや守備、または盗塁のスタートダッシュなどのシーンをイメージしながらトレーニングに取り組むことをおすすめします。
デッドリフト
太ももの裏やお尻・腰回り・背中全体の筋肉強化を目的とするデッドリフト。バッティングやスローイング・ダッシュなど、野球の動作全てにおいて必要な強化種目だといえます。
デッドリフトはフォームが難しい筋トレの1つです。特に腰が曲がらないように注意し、守備の構えや走塁のスタートダッシュなどを意識しながら慎重にトレーニングに取り組むようにしましょう。
ベンチプレス
バッティングのインパクト時の爆発的なパワー、正確なスローイングのコントロールなどを実現するには安定した上半身の筋力が必要です。上半身の中で最も大きな大胸筋を鍛えることは、野球選手として重要な要素といえます。
大胸筋を鍛えるにはベンチプレスが最もおすすめです。バットコントロールやスローイングの流れなどをイメージしながら、バーベルを胸の上でコントロールしましょう。
ベントオーバーローイング
大胸筋と反対の位置にある広背筋を鍛えるのにおすすめなのがベントオーバーローイングです。ベンチプレスを行うのであれば、併せてベントオーバーローイングも行うことをおすすめします。
押す筋トレを行うなら、引く筋トレも続けて行えば表裏の筋力を効率的にアップさせることが期待できるからです。
広背筋をしっかり鍛えることにより、バッティングのスイングにおける捻りの安定、守備のキャッチアンドリリースにおけるボディコントロールの強化などを狙います。
ショルダープレス
野球選手にとって肩の強化を避けることはできません。肩を強くすることはボールを速く遠く投げるようになること以外に、肘関節の保護にも繋がるからです。
ショルダープレスで三角筋を着実に鍛え込み、肩や肘の消耗を抑えるためにも少しの力だけでボールを速く遠く投げることができるようにしましょう。
野球の練習と筋トレの比率はどうすべき?
いくら筋トレが必要だとしても、肝心の野球練習より時間を割くのは得策ではありません。ただ、週に1回程度の筋トレでは足りないかもしれません。
シーズン中やオフ期間など時期の違い、プロ間近の選手と野球初心者・子供の選手といったレベルの違いで、野球練習と筋トレの比率は違ってくるものです。
基本的にはシーズン中及び初心者・子供の選手などの場合は、8割以上で野球練習に高い比率を置くことをおすすめします。シーズン中であれば試合までの計画的な実践練習が必要ですし、初心者や子供の選手はまず野球の基本的な技術面・戦術面を習得することが必要です。
逆にシーズンオフの期間及び中学生以上である程度体が出来上がっている選手の場合は、野球練習と筋トレや各種トレーニングなどの比率を半々くらいにしても問題ないかと思います。
特に冬場のシーズンオフにしっかり筋トレをやり込んでおけば、春先のシーズン開幕時期に圧倒的なパワーとスピードを発揮することも不可能ではありません。
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野球選手が筋トレを行うときに気をつけるべきこと
野球選手のケガで特に多く聞くのが、肘や肩など上半身の部位のケガです。肘や肩の関節は下半身の大きな関節に比べ、支える筋肉もそれほど強くなく繋ぎとなる腱も痛めやすい部位だといえます。