はじめに
来年2020年の東京オリンピックから正式種目に採用されたスケートボード。以前から日本でも若者中心に人気だったスポーツです。
ストリートカルチャーから生まれ、音楽やファッションと密接に関係している新しいスポーツがオリンピックの正式種目に選ばれたことは喜ばしいことです。
日本でも冬季オリンピックのスノーボード競技で2大会連続の銀メダルを獲得した平野歩夢選手が出場の意欲を示しているとの報道もあって盛り上がってきていますね。しかし、まだ多くの人には身近ではないスポーツであるともいえるのではないでしょうか。
そこで、2020東京オリンピックにおける競技内容や日本人注目選手についてまとめました。
スケートボードの歴史
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まずはスケートボードの歴史についてご紹介しましょう。
1960年代(第一世代)
ローラースケートを流用した木製四輪キックスケーターからハンドルを取ったものが原型と言われている[2]。その後カリフォルニアのサーファーが水を抜いたすり鉢状のプールで乗り始めた事から流行が本格化する。
1970年代(第二世代)
この時代より、大きめの板の「裏側」に着目して飲料水メーカーなどのグラフィックが描かれる様になる。
引用元:https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B9%E3%82%B1%E3%83%BC%E3%83%88%E3%83%9C%E3%83%BC%E3%83%89
スケートボードは特に若者に人気があり、日本には1970年代から80年代にかけて入ってきたようです。
1980年代(第三世代)
フラットランドで活躍したロドニー・ミューレンが平地でのオーリーを開発し、ストリートスタイルの発展に大きく貢献する。この頃から優秀なスケーターにはスポンサーがつき、シグネイチャー・モデルのスケートボードが登場する。
引用元:https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B9%E3%82%B1%E3%83%BC%E3%83%88%E3%83%9C%E3%83%BC%E3%83%89
スケートボードがストリートカルチャーの中心に
1990年代(第四世代)
ヒールフリップ・スライド・マニュアルなどのプレイスタイルを主体とし、文字どおり街頭の建造物を使用したストリートスタイルが発展する。
引用元:https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B9%E3%82%B1%E3%83%BC%E3%83%88%E3%83%9C%E3%83%BC%E3%83%89
90年代にはブームが到来し大人気となり、ストリートを中心に盛んに行われるようになりました。
そうした時期を経て、都会的なスポーツ、また遊びとして音楽やファッションと一体になり、ストリートカルチャーの中心になってきたのが2000年代だと思われます。
2000年代
従来のスケートボードはストリートスタイル普及の結果、街頭の建造物がスケートボーダーにより破壊される問題が発生し、ストリートセッション中心の公共スケートパークが増え、パークスケートボーディングが発展した。
引用元:https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B9%E3%82%B1%E3%83%BC%E3%83%88%E3%83%9C%E3%83%BC%E3%83%89
今では公園などに「スケートボード禁止」という張り紙や看板があるのは見慣れた風景になりました。こういう歴史を辿り、競技としてのスケートボードは発展してきたというわけですね。
フリースタイル、フラットランド、スラロームなどの競技種目がありますが、2020東京オリンピックでは男子女子とも、街の中を滑るような直線的コースで技を競う「ストリート」と複雑な形のコースで技を争う「パーク」の2つの採点競技が行われます。
競技内容と技(トリック)
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ではここからは、ストリートとパークそれぞれの競技内容、そして技(トリック)について見ていきましょう。
ストリート
街にあるような階段や手すり、縁石やベンチ、壁や坂道などを模した直線的なセクション(構造物)を配したコースで行われる。選手は1人ずつ競技を行い、セクションを使いながらさまざまなトリック(技)を繰り出す。
引用元:https://tokyo2020.org/jp/games/sport/olympic/skateboarding/
「ストリート」はその名の通り、街中にある階段や手すり、縁石やベンチ、壁、坂道などに似せた構造物が配置されたコースで行われる個人戦です。
構造物を「セクション」と呼びますが、このセクションを使いながら次々と技(トリック)を繰り出し、完成度や難易度、高さ、スピード、オリジナリティーを総合的に採点されます。
見ている人たちを圧倒する華麗なトリックとテクニックを成功させることがストリート最大の魅力、見どころでしょう。
持ち時間45秒のラン(RUN)を行うRUN方式とコース内の障害物を1つ選んで技を繰り出すBEST TRICK方式があり、RUN方式は2回行って高いほうの得点が持ち点となりますがBEST TRICK方式は5回のうち点数の高い4回が持ち点に加算され、合計得点で順位が決まります。
パーク
大きな皿や深いお椀をいくつも組み合わせたような、複雑な形をした窪地状のコースで行われるパーク競技。
引用元:https://tokyo2020.org/jp/games/sport/olympic/skateboarding/
急で高さのある傾斜のあるコースを利用したエアートリックがパークの一番の見どころになります。
この競技もトリックの難易度、完成度、スピードに加え、全体の流れやダイナミックさ、安定感、浮遊感などを総合的に採点されます。ストリートとはまた違ったすごさやカッコよさ、アクロバティックな雰囲気が楽しめます。
持ち時間45秒でコースを自由に滑れます。3回のチャンスがあり、その最高得点で勝敗を決める仕組みです。
採点基準
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では、スケートボードのルールや採点基準はどのようになっているのでしょうか。「ストリート」と「パーク」では、競技方法は少し違いますが採点されるところはほぼ同じと考えていいと思います。
採点ポイントは次の通りです。
難易度
- 技の難易度
- 障害物の難易度
滑り
- 滑りそのものの質
- 滑りの滑らかさや美しさ、力強さなど
- 速度
- ジャンプの高さ、飛距離
- 着地の美しさ
コースの使用方法
- トリックの種類(たくさんのトリックを決めるよりもトリックの難易度やその仕上がりのほうが重視される)
- コース取りの種類
- 技と技のつなぎの滑らかさ
難易度だけではなく美しさも重要
このような採点基準になっているようです。ただ難易度を上げればいいというわけでなく、美しさや仕上がりも重視されるのですね。体操やフィギュアスケートなどと共通する部分も多いように思います。
加えて、一回勝負ではないので、試技によって滑りや技のバリエーションを持たせるなど多彩なスケーティングを披露する、といったように審査員が多くの項目を点数化して総合的に順位が決まることになります。
出場資格
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では、この東京オリンピックに出場するにはどんな条件をクリアする必要があるのでしょうか。
出場枠は男女各20名ずつ
まだ日本代表の選出方法は最終確定していないようですが、ワールドスケート連盟が昨年発表した東京オリンピックの選考基準によると、全体で各種目、男女とも20名ずつしか出場枠がありません。
具体的な選考基準をチェックしてみます。
選考基準
- 世界選手権(2019年6月30日~7月14日)で3位以内
- 2020年5月31日での世界ランキング16位以内(ただし5大陸で各1名は必ず出場可能)
- 開催国枠(世界ランキングで各種目ごとに上位1名は出場可能)
引用元:http://jrsf.or.jp/wordpress/wp-content/uploads/2018/07/%E3%80%90%E5%8F%82%E8%80%83%E5%92%8C%E8%A8%B3%E3%80%91Qualification-SystemTokyo2020-SKBVer.3.pdf
この中で③の開催国枠が一番気になりますが、このまま読むと、日本は各種目最低でも男女2名ずつ計4名は出場できることになります。①②で出場権を獲得した日本人がいれば、国内枠と合わせて最大3名ずつ出場ができるようです。
それでは、東京2020まで、まだ1年以上ありますが、日本人でオリンピック出場を目指している有力、注目選手を紹介しましょう。
「ストリート」男子
堀米雄斗(ほりごめゆうと)
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- 1999年1月7日生まれ 20歳
- 東京都江東区出身
- 身長170cm 45kg
引用元:http://www.ajsa.jp/pro/2018pro/2018pro_index.html
堀米雄斗選手はメダルの可能性も十分の若きエース。世界最高峰の大会であるSLS(ストリートリーグスケートボーディング)で2018年5月に初優勝し、その後世界の強豪を相手に見事3連勝を飾りました。もちろん日本人としては初の快挙です。