パデルというスポーツをご存じでしょうか。
テニスに似た新感覚のスポーツということで、何となく知っているという方もいるかもしれません。
その人気は世界中で急速に高まっており、2032年のオリンピック種目になるという話まで出るほど。
そしてパデルはここ日本でも徐々に認知度が高まっています。
パデルは一見するとテニスのようですが、その違いはどこにあるのでしょうか。
今回は今後ブレイクが期待されるスポーツ、パデルのルールやテニスとの違いを徹底解説。
その他注目の日本人選手も紹介していきます。
パデルとは
パデルとはどういったスポーツなのか。まずはパデルの歴史や特徴等、基礎知識から紹介していきます。
パデルの歴史
パデルは1970年代中期、スペインで生まれたスポーツで非常に歴史の浅いスポーツです。
発案したAlfonso de Hohenloheは、メキシコに住む友人宅で壁に仕切られたミニテニスコートを見たそうです。
そしてそれをきっかけにパデルが考案されたといわれています。
1980年代初頭からマドリッドやバルセロナのスポーツクラブから普及し始め、瞬く間にスペイン全土へ普及。
各地域でパデルコートが建設され国内のトーナメントが行われる程に急成長しました。
一方、Alfonso de Hohenloheの友人でアルゼンチンの富豪Julio Menditenguiも早くからパデルに興味を示していました。
1975年に彼によってアルゼンチンに持ち込まれたパデルはそこでもあっという間に大ブレーク。
そこから南米全域に広がり現在はアメリカ、カナダの北米にも普及しています。
そしてここ、日本には2013年に初上陸し同年、埼玉県所沢市の「所沢フットサルパーク」に日本初のパデルコートが建設。
2020年4月現在までで日本パデルの競技人口は、既に1万2千人を超えているといわれています。
特徴
パデルの特徴は何といっても強化ガラスと金網で囲われているという点。
同じくテニスと似たような壁とラケットを用いるスポーツでスカッシュというものがあるのをご存じでしょうか。
パデルはまさにスカッシュとテニスを合わせた様なスポーツであるといえるでしょう。
また、運動量の多いテニスに比べてパデルは負荷が少ないとされており、初心者でも比較的簡単にできるスポーツです。
健康促進やダイエット等、老若男女問わず楽しめるスポーツで競技人口は現在も増加中。日本でも今後益々の普及が期待されています。
ルール
ここからはパデルの具体的なルールに関して説明していきます。得点の加算、失点、ファール等詳しく解説します。
得点の加算方法
得点の数え方はテニスと同じで「0(ラブ)・15・30・40」となります。
15-0の場合はフィフティーンラブ、15-15の場合はフィフティーンオールと呼びます。
テニスと同様40-40の場合はデュースとなり、相手より2ポイント多く取った方が勝ちとなります。
サーブ
サーブのルールは以下の様になります。
- テニスと異なりサーブはワンバウンドさせてアンダーサーブで対角側のサービスコートに入れる。
- ボールがウエストラインより下の位置でサーブしなければならない。
- 1ポイント目はデュースサイド(ネットに向かって右半分のコート)、2ポイント目は逆側と交互に打つ。
- サーブはサービスラインより後方からサーブする。この際線を踏んだり超えたりしてはならない。
- テニスと同様2回まで打つことができる。
- テニスと違いネットに当たって相手側のコートに入った場合はレットとなり、その場合はもう一度サーブすることができる。
ボールが対角側以外のコートに入ったり、相手側のコートに入った後サイドの金網に当たるとサーブフォルトとなります。
ファール(失点)
以下の場合は失点となります。
- ボールが相手コートでノーバウンド。
- ボールが自分側のコートで2バウンドする。
- 打ち返したボールが自分側のコートでバウンドする。
- ボールが体に当たる。
- サーブを2度失敗する。
- 打ち返したボールが自分サイドの金網に当たる。
相手側が返してきたボールが壁に当たっても打ち返すことができます。
壁に当たって跳ね返ったボールがコートに落ちた場合は2バウンドとなり失点となります。
テニスとの違い
テニスとパデルの最も大きな違いはフェンスが有るか無いかというのは一目瞭然です。
しかし、それ以外にも細かな部分で違いがあります。パデルとテニスの違いを見ていきましょう。
プレーヤー数
シングルスが基本のテニスと違いパデルはダブルスが基本。その為テニスよりも動く範囲が狭くなっています。
只、近年はシングルスも行われており、それ専用のコートも設立され始めています。
ルール
基本的なルールはテニスを踏襲していますが、何よりも大きな違いは強化ガラスを使用したプレーです。
壁に跳ね返ったボールを打ち返したり、逆に壁を利用したレシーブを打ったり等の技がパデルの魅力です。
コート
テニスコートの大きさ「10.97m x 23.77m」に対してパデルコートは「10m x 20m」です。
コート自体はほぼ同じ大きさですが、パデルコートが壁で覆われているのに対してテニスのプレー範囲はコートの枠外に及びます。
テニスの場合コート枠外の広さは競技場によっても異なりますが、その分運動量は多くなります。
ラケット
ラケットは一見どちらも全く同じに見えますがいくつかの点で違いがあります。
まず長さが異なり、パデルラケットの方がテニスラケットよりも短く作られているという点。
そして、テニスラケットのガットの部分はパデルラケットでは板に空気抵抗を無くす為の穴が開いたものになっているという点です。
テニスよりもボールを捉えやすくする為このような仕様になっているようです。
また、事故防止のためにラケットを手首に繋ぐためのストラップが付いており、着用が義務付けられています。
ボール
パデルのボールは形状、色、サイズ共テニスとほぼ同様ですが、内圧が異なります。
内圧がテニスボールより1気圧低い為反発力はテニスよりも弱くなりますが、その分より軽い力で打ち返すことができます。
日本代表ランキング
日本でパデルが普及してまだ10年も経っていませんが、既に日本を代表するプレーヤー達が生まれています。
今パデルを盛り上げている日本代表ランキング(2020年4月現在)を男女別にご紹介します。
男子
男子日本代表のトップ10をご紹介します。
- 日下部俊吾
- 冨中隆史
- アシエル・ガゴ・マルチネス
- 富田一輝
- 五味亮将
- 奥山英一郎
- 大久保祐輔
- 柳谷宣達
- 平レオンオリリアス
- 村澤智明
中でも注目は平レオンオリリアス選手。
2019年10月14日に開催された「第12回世界ジュニアパデル選手権大会」に出場した平選手は現時点でまだ10代。
まさにこれからの日本パデル界を背負っていく選手といえるでしょう。
また、テニスコーチでもある大久保祐輔選手は42歳(2020年4月現在で43際)でパデル日本代表に選出。