現在、ストレスを緩和し免疫力向上に期待が持てる呼吸法として「腹式呼吸」が大注目されています。
腹式呼吸は横隔膜の上下運動で行われる呼吸法ですが、いざチャレンジしてみると思うように上手く続けられないものです。
そこで、今回は腹式呼吸を身につける為の練習方法を詳しく伝授していきます。
特別な器具を使用することなくペットボトルで出来る練習方法や、腹式呼吸を認識しやすい姿勢など様々な角度からアプローチしてみましょう。
具体的なトレーニングメニューも紹介しているので、是非参考にして下さい。
腹式呼吸を誤解しないこと
腹式呼吸と聞くと腹部に空気を入れる呼吸だと勘違いをしてしまいそうですが、実際は腹部に空気は入りません。
確かに腹部を膨らませたり、凹ませたりするので腹部に空気を入れているかのように感じます。
しかし実際は横隔膜を上下させて呼吸をしており、呼吸の際に意識を向けておくべきはこの横隔膜ということになります。
しかし、初めから横隔膜へ意識を向けるのはなかなか難しいのではないでしょうか。
腹式呼吸を身に着けるための練習方法
横隔膜を意識し、腹式呼吸を身につける為の練習には様々な方法があります。
ペットボトルを使ったり仰向けになったり、まずは横隔膜に意識が向きやすくなる方法を確認していきましょう。
自分に合う方法で練習を始めてみてはいかがでしょうか。
仰向け練習方法
上記は、もっともスタンダードな腹式呼吸の練習方法となります。
- 仰向けになって両方の膝を曲げる
- 腹部に手を当てて、腹部の動きを感じる
- 3秒ほどかけて、息を吸いながら腹部を膨らませる
- 6秒ほどかけて、吐きながら腹部に力を入れる
仰向けの状態になった時に、腰の後ろが浮かないようにします。
どうしても腰が反って浮いてしまう人は、クッションなどを腰の下に差し込み隙間を埋めるといいでしょう。
この練習方法では、仰向けになることで腹式呼吸にシフトしやすくなるという性質を利用しています。
仰向けで腹式呼吸を練習する際は、腰が床から動かないように気をつけます。
ペットボトル使用の練習方法
ペットボトルを使用して腹式呼吸を練習する方法です。
ペットボトルを使用することで、呼吸に負荷がかかるので肺を鍛えることに繋がっていくでしょう。
- 空のペットボトルを用意して、息を吐き切る
- ペットボトルをくわえて息を吸う
- 吸いきったらそのまま息を吐く
- ペットボトルをくわえたまま呼吸を繰り返す
- 10セット程繰り返す
使用するペットボトルは、柔らかいものがおすすめです。
また大きな音が出るので、練習の際は周囲への気配りもお忘れなく。
立ったままの練習方法
立ったまま横隔膜を意識する練習方法は、ほんの少しの空き時間で練習することが出来る手軽な方法です。
- 肩幅に足を開き立ち、手は肋骨の下へ置く
- 軽く息を吸って息を止め、お腹を少し前に突き出す
- 息を吐きながら、体を前へ倒す
息はしっかりと吐き切りましょう。
気持ちを落ち着かせたい時など、その場で実践出来るのではないでしょうか。
腹式呼吸を練習する時のポイント
腹式呼吸の練習では腹部に意識を向けて行うことが多いのですが、意識をすると余計に呼吸法がわからなくなる人も多いようです。
そこで体が勝手に反応するような方法を実施すると、意外にスムーズに出来ることもあります。
力を抜くだけ呼吸法
腹式呼吸がなかなか出来ないという人の多くは、肩に力が入り過ぎる傾向にあります。
呼吸をする際にどうしても力が入ってしまう場合は、息を吐く際に体の力を抜いてみましょう。
練習方法はとてもシンプルで、息を吐き尽くしその後一気に体の力を抜くだけです。
人間の体は、呼吸を吐き切ってから力を一気に抜くと次は反射的に息を吸います。
更に、息を吐き切ろうとすると自然に腹部に力が入り、横隔膜が上がっていくので自然な腹式呼吸をすることが出来るのです。
腹部に意識を向けると、わかりにくくなるという人は息を吐き切ることに集中してみましょう。
吸うことを頑張らない
腹式呼吸の練習時に頑張って息を吸おう(腹部を膨らませよう)とする人がいます。
そうすると肩の周囲に余計な力が入ってしまい、姿勢が崩れて猫背になりやすくなるのです。
また口から空気を吸い込もうとすると、大量に吸ってしまうのでどうしても力が入りやすくなります。
空気を吸うときのコツは、鼻から細く吸うことです。
締め付けのない服装で行う
練習をする際は、体を締め付けない服を着用します。
腹式呼吸には、リラックス効果や血液循環を良くする効果も期待出来る為、なるべくゆったりした着心地のものがおすすめです。
特に腹部周りがきつい服は、余計な力が入りやすいので練習時はベルトなども外すようにしましょう。
毎日継続する
腹式呼吸は単発で長時間やって効果が出るものではありません。
毎日継続して行うことで、身心に良い効果をもたらしてくれるものです。
1日10分でも5分でもいいので、自分に無理のない範囲で毎日行いましょう。
TVを見ながらでも、信号待ちの間など生活の隙間時間に取り入れていくのもいいのではないでしょうか。
【関連記事】腹式呼吸の効果を徹底解説!筋肉や横隔膜への影響とメリットとは?上手にできないときのコツと注意点や腰痛予防との関係性も紹介