運動前に不用意に静的ストレッチを行うと、いざ本番で実力を発揮できないばかりか、怪我の原因となる場合もあるのです。
運動前の動的ストレッチで可動域を広げる
それに対して動的ストレッチは動きの中で可動域を広げたり、筋肉を動かして刺激を与えるストレッチです。
例えば次の動画のような動きが動的ストレッチに当たります。
ウォーミングアップという言葉の通り、プレイ前には体を温める必要がありますが、静的なストレッチでは身体は落ち着き、冷えてしまいます。
首の自己流ストレッチは動的?静的?
静的ストレッチと動的ストレッチは状況に応じて使い分ける必要があることが分かりました。
では、これを首のストレッチに当てはめてみて考えてみましょう。
生活の中で首を回すというのは動的ストレッチに当たりますが、例えば片方の腕で頭をホールドして一方向に傾けるといった静的ストレッチは状況によっては危険性があるのです。
首周辺は筋肉やリンパが複雑に絡み合っているため、見様見真似のストレッチや素人判断の手当ては控えるべきでしょう。
首のコリを解消するトレーニング
とは言え、首の違和感や肩こりを感じた時に、何もしないという訳にもいきません。
ここではトラブルになりにくいメニューをご紹介します。
シュラッグ
首のコリを解消するためにおすすめのトレーニングがシュラッグです。
シュラッグは僧帽筋という肩と首をつなぐ筋肉を鍛えるためのトレーニングで、本来はダンベルなどのウエイトを持って負荷を掛けて実施します。
しかし今回は筋肥大ではなく首周辺をリラックスさせるのが目的ですので、何も持たずに行ってみてください。
シュラッグのやり方
- 両肩をすくめます。
- すくめた肩をゆっくり下ろします。
この動作を20回ほど繰り返します。
動画ではダンベルを持っていますが、前述の通り手ぶらで実施しましょう。
ダイレクトに首を刺激するアクションではありませんが、筋肉を無理なく動して周辺の血流を促すという意味で非常に適した運動と言えます。
仮にこの運動程度で首が痛んだり、違和感が覚えた場合は直ぐに病院やカイロプラクティックなど専門家のチェックを受けましょう。
シュラッグのポイント
- 両腕は力を抜いてダランと下げたまま、肩だけを引き上げるイメージで実施します。
- 指や手首、肘に力が入りやすいので注意します。
- すくめた肩は腕の重さで一気に落とさずに、穏やかに下げます。
まとめ
人体のうち首周辺は、特に生命維持に関わるデリケートな部位です。
自己流のストレッチで違和感を解消する前に、本当にその筋肉を伸ばして良いのか、ほぐすのがベターなのか、良く考えましょう。
安易な自己判断が状況悪化に繋がりやすいので、ここで得た知識やプロフェッショナルの視点を総合し、最適な状況改善策を選びたいものです。
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