福原愛さん、石川佳純さん、張本智和さんなどの活躍で卓球に興味を持つ人が増えています。卓球をする際に、重要となるのがラバー選びです。今回は選び方や回転などにも触れつつ、様々なラバーについて紹介します。
ラバーとは?
「そもそもラバーって何?」という方もおられるでしょう。ラバーはゴムでできたシートにスポンジを貼ったものを指します。慣れてくるとプレイヤーが自分で、ラバーを貼りかえる光景もよく見られます。貼り方、剥がし方については後ほど説明します。
ラバーのシートは2mmまでと規定で定められています。スポンジとシートを足して4mmまでです。
ラバーの色
使用して問題ないカラーは黒と赤。フォアとバックのラバー色は必ず変えなければいけません。性質が違うものを同色にすると、相手選手が混乱しかねないからです。フォアとは右が利き腕の人なら、右肘よりも右側で打つことをいいます。バックは反対の左側で打つことを指します。
「中国はフォアを黒にしている競技者が多い」など、国によって特徴が表れます。そういったところに着目できれば、より一層卓球を楽しめます。
ラバーの種類
卓球をする前に、まずラバーについての知識を深める必要があります。選手のタイプや戦略によってラバー選びが変わるのは当然のことといえます。それでは4種類のラバーについて解説していきましょう。
裏ソフト
ラバーの表の面にボールが引っかかる特徴を持つ裏ソフトラバーは、回転をかけたい人が好んで使います。また強いボール打てるため、パワータイプの卓球選手は裏ソフトをよく使用します。女子よりも男子に裏ソフトが多いのは、筋力で勝るからです。卓球初心者は裏ソフトを使って基礎を学ぶことが定番です。
表ソフト
表ソフトは裏ソフトと比べて、ラバーに接する面が少ない構造です。そのため回転そのものが起こりづらくなり、相手がかけてきた回転を苦もなく打ち返すことという利点を持ちます。しかし一方で、こちらから回転をかけづらくなる弱点があるのも確かです。
ドライブの難易度は高めのため『ミート打ち』『角度打ち』と呼ばれる技術を身につけなければ、良い結果を残せません。裏ソフトと比べて、使いこなすまでに時間を要します。
ツブ高ラバー
表ソフトの粒度をさらに高めたのがツブ高ラバーです。卓球に詳しい人はカットマンという言葉を聞いたことがあることでしょう。カットマンとは、自ら仕掛けず相手のスマッシュなどをひたすらカットし続け、ミスを誘うタイプの選手の呼称です。ツブ高はカットマンにおすすめのラバーです。
ツブ高ラバーは、上回転のボールを下回転に、下回転なら上回転でといったように、相手がかけてきた回転の反対のボールを返すことができます。回転を気にしなくて済むため、レシーブを容易に習得しやすいというのが長所です。
アンチスピン
読んで字のごとく、回転がかからないように設計されたラバーです。特殊で癖が強すぎる性質を持つため、アンチスピンを使う人の数は極めて少数といえます。こちらのラバーは販売数が極端に少なく、愛好者を探すのは至難の業です。
ラバー選びの4要素
何も知らない段階で、いきなり「ラバーを選んでください」と言われても、何を基準に選択すればいいかが分かりません。最初にラバーを選ぶなら知っておくべき4つの要素について説明します。
厚み
ラバーはスポンジの厚さが0.4mmから最大で4mm前後のものまで存在します。厚みが増せば増すだけ弾みやすくなります。しかしその反面ラバー自体に重みが出てしまい、使いこなしづらいと感じる人もいます。いくらボールが弾んだとしても、きちんとラケットを振り切れなければ良いパフォーマンスを発揮できません。
初心者は1.5mmから1.9mmのものを選ぶことで、重量を感じることなく自在にラケットを操れるようになるでしょう。
速度
スポンジに厚みがあるほど、ボールの速度がアップします。速度順に並べると裏ラバー、表ラバー、ツブ高ラバー、アンチラバーとなります。スピードを基準にしても、アンチラバーは選びづらいのが実情です。
回転
回転のかかりやすさは速度に比例します。そのため裏ラバー、表ラバー、ツブ高ラバー、アンチラバーという順番となります。基礎知識として上記の順を頭に入れておきましょう。
硬度
種類によってスポンジの硬度が変化します。柔らかいスポンジはボールの制御がしやすいため、初心者におすすめです。硬度が上がるにつれて、コントロールしづらくなります。
初期段階から硬いラバーを選択すると「卓球は難易度が高い……」と思ってしまいがちです。最初は無理をせず軟らかめのスポンジを使って、卓球の楽しさを感じるところからスタートさせてください。
ラバーの貼り方、剥がし方
卓球歴が長くなるほど、ラバーを購入する機会が増えます。初心者は必ずしも自らラバーを貼る必要はありません。ラバーやラケットを購入したお店の人にお願いするのも有効な手段です。
なお中級以上になってくると、自分でラバーを貼る人が大半を占めます。こちらの項目では、ラバーの貼り方、剥がし方について具体的に解説していきます。
貼り方
ラバーを貼る前にラケット、ラバー、スポンジ、フリーチャックやファインジップなどの接着剤、ペン、ハサミを用意しましょう。次にラバーの上へラケットを重ね真ん中を合わせるように配置します。
ズレが生じないように注意しながら裏返し、ラケットとラバーの境目をペンで丁寧になぞります。ラケットのサイズがラバーに残るよう可視化することで、接着剤の使用量を必要最低限にとどめられます。
次にラケットとラバーへ接着剤を塗りこみ乾燥するまで待ってから、乾いたらラケットとラバーを貼り合せましょう。いきなり両面に貼るのではなくまずは片面だけ貼りつけて、ラケットからはみ出ている箇所をハサミで切り取ります。もう片方の面も同じように貼りつけて、カットしていきましょう。
剥がし方
貼るのと同じくらい剥がすことも重要です。剥がし方が良くなければ、新しいラバーを綺麗に貼ることが難しくなります。
斜めに剥がすのが正しい剥がし方です。この方法を選ぶことで、ラケット板が剥がれることを防止できます。ずっと使うラケットは、自然と愛着が沸きます。だからこそ大切に扱うよう意識しましょう。
※注意
木目方向に剥がすのはNGです。この剥がし方をするとラケット板が剥がれやすくなります。