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横浜DeNAベイスターズの主砲・筒香嘉智選手。2016年にはセ・リーグ二冠王獲得、そしてペナントレース3位の立役者としてチームに貢献しました。
筒香選手のバッティングフォームは非常にシンプル。大げさに足を上げるわけでも力むわけでもないのに長打を量産する様子を見ると、過酷な筋トレでパワーをつけているのだろうと容易に想像できます。
筒香選手のように長打を連発したい、4番の座に君臨したい。そんな目標をお持ちの方は筒香選手のような力強いバッティングができるよう日夜筋トレに励んでいることでしょう。しかし筋トレで確実に長打力が伸びるとは限りません。
実は、筒香選手はウエイトトレーニング、つまり筋トレには取り組んでいないのです。見るからに筋肉質の体型でありながら筋トレはしていません。ではどのような方法で体を鍛えているのでしょうか。
長打を連発する「パワーヒッター」筒香嘉智選手を根底から支えているのは『体幹』です。今回は筒香選手が日々取り組んでいる『体幹を鍛えるトレーニング方法』をご紹介します。
DeNA選手が取り入れている「アンダーハンドスロー」
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筒香選手のみならず、プロのアスリートは積極的に体幹トレーニングを取り入れています。
DeNAベイスターズでも様々な体幹トレーニングを行っていますが、まずは野球以外のボール「メディシンボール」を持っている姿が印象的な「アンダーハンドスロー」トレーニングをご紹介します。
アンダーハンドスローによる体幹トレーニング方法
- 足のスタンスは肩幅より少し広めにして膝を柔らかく保ち、メディシンボールを両手で持ちます。
- 胸の高さに上げたボールを膝の間まで一気に振り下ろします。
- 股関節の動きを意識して勢いよく上体を起こしながらボールを持ち上げ、壁に向けてリリースします。
- 1.〜3.を繰り返します(動画0分55秒まで)。
【ポイント】
ボールを振り下ろした瞬間に体がふらつかないよう、足底で地面を掴む感覚を持つといいでしょう。
また、お尻と股関節の力を使って上体を起こすのがポイントです。腕の力は使いません。
メディシンボールの重さは「目的」によって決める
メディシンボールの素材にはいくつか種類があり、また重量も1kgから10kgを超えるものまで市販されています。トレーニングの目的や行う場所、現在の筋力など様々な面を考慮して選ぶといいでしょう。
例えばDeNA選手のトレーニングではゴム素材のメディシンボールを使用しているようです。ゴム素材はしっかりとした重量と弾性があるので、壁の跳ね返りを利用したいアンダーハンドスローには最適です。
以下の関連記事を参考に、高いトレーニング効果が得られるメディシンボールを手に入れてください。
【関連記事】メディシンボールおすすめ人気ランキング20選!重さや選び方を紹介!【テニス、ゴルフに最適】
アンダーハンドスロートレーニングで得られる効果
アンダーハンドスロートレーニングで得られる効果として次の2点が挙げられます。
- 股関節を力強く、急激に動かすパワーがつく
- 下半身の力を上半身に伝えるフローが自然と身につく
筒香選手がなぜ積極的にこのトレーニングを取り入れるのか、その理由が見えてきませんか?
筒香選手がアンダーハンドスロートレーニングを取り入れる理由とは
バッティングは腕の力ではなく下半身の力を必要とします。特にプロ野球投手の投球を押し返す場合、腕の力だけでは負けてしまうでしょう。このとき重要になるのが股関節の動きです。一般的には「腰を回す」と表現されます。
股関節の左右を交互に素早く前後させてみてください。肩は左右逆に動くことがお分かりになるでしょう。つまり、股関節を素早く旋回させることで上下半身がツイスト状態になるのです。捻りの反動を利用すれば力強いバッティングが可能になります。
アンダーハンドスロートレーニングでは股関節のインナーマッスルが鍛えられ、どんな動きにも重心が揺らがない「体幹」が身につきます。もちろん股関節を素早く旋回させるパワーも得られます。
バッティングに重要なのは、股関節の旋回を上半身に無駄なく伝えること。バランスを崩さずに上下半身を連動させる力こそが「体幹力」です。これぞ筒香選手のパワーヒッティングの源といえるでしょう。
【関連記事】メディシンボールを使ったおすすめ筋トレメニューとは?体幹・腹筋を効果的に鍛える!
シーズンオフの筒香選手が取り組んだ「ウッドチョップ」
ウッドチョップとは「木こり」のこと。木こりが木を切るモーションに似ていることからウッドチョップと呼ばれています。
筒香選手は固定したゴムや荷重用のダンベルを使ってトレーニングを行っていますが、今回はメディシンボールでできるウッドチョップトレーニングの方法をご紹介します。
ウッドチョップによる体幹トレーニング方法
【初級編】
- 足を前後に開き、メディシンボールを両手で持ちます。
- 左上に高くボールを持ち上げます。
- 右太ももの斜め前までボールを下ろします。
- 1.〜3.を繰り返します。
【中級編】
- 足を前後に開き、メディシンボールを両手で持ちます。
- 左上に高くボールを持ち上げます。
- 重心を落とすように膝を曲げながら右の太もも横までボールを下ろします。
- 1.〜3.を繰り返します。
【上級編】
- 足を揃えて立ち、メディシンボールを両手で持ちます。
- 左上に高くボールを持ち上げます。
- 右足を後ろに引くと同時に重心を落とすように膝を曲げながら、右太もも横までボールを下ろします。
- 1.〜3.を繰り返します。
【ポイント】
上半身は真っ直ぐ起こしたままで行います。
前傾したり腰を大きく捻ったりせず固定しておくのが体幹を鍛えるポイントです。
ウッドチョップトレーニングで体幹を鍛えると何が変わる?
ウッドチョップトレーニングで鍛えられる筋肉は、脇腹の腹斜筋や背骨のインナーマッスルである回旋筋です。この2つの筋肉は作用し合う関係のため、上半身を捻る動作によって双方が鍛えられて素早い旋回が可能になります。
また上半身を真っ直ぐ起こしたままトレーニングを行うことで、素早い旋回に影響されない体幹が身につきます。アンダーハンドスローとの共通点だといえるでしょう。
アンダーハンドスローは股関節の旋回力アップが見込めましたが、ウッドチョップは腹部周辺の旋回力がアップします。筒香選手のバッティングを支えているのは、体の軸がぶれない体幹力と股関節・腹部2個所の回旋力なのです。
DeNAベイスターズが取り入れた四つん這いでの体幹トレーニング
横浜DeNAベイスターズが新たにチームとして取り入れた体幹トレーニングは、既存のトレーニングの中では「プランク」のフォームに近く、モーションは「クリーチャートレーニング」に近いといえます。
新しい体幹トレーニングがどのようなものなのか、DeNAの選手が実際にトレーニングに励んでいる映像を使ってご紹介します。
四つん這いでの体幹トレーニング方法
今年から取り入れた体幹トレーニング。
背中を地面と平行に保ちながら10歩ずつ前後に進みます。
膝が上がったり腰が反ったりしないように、より体幹を意識するために、背中にペットボトルを乗せています。
挑戦したいという方は正しい姿勢に注意してくださいね。#baystars #秋季キャンプ #凡事徹底 pic.twitter.com/Fk1WTGkV3E— 横浜DeNAベイスターズ (@ydb_yokohama) 2018年11月12日
- 両手のひらと膝、つま先を地面につけ、四つん這いの姿勢をとります。
- 両手とつま先のみ残し、膝を浮かせます。
- 頭から腰までが一直線、地面と平行になるよう足のスタンスを広げて調整します。
- 左右交互に5歩ずつ前に進み、同様に後ろに進みます。
【ポイント】
頭から腰までを真っ直ぐに保ちながら左右のブレも抑えることで体幹が鍛えられます。
背中に物を乗せて落とさないように意識すると体勢がキープできます。
四つん這いトレーニングと体幹の関係
四つん這いトレーニングとフォームが似ている「プランク」は、肘とつま先で体を支えます。肘と上半身を繋ぐ関節は肩。そのため肩関節がブレなければプランクの姿勢を保ちやすいといえます。
一方四つん這いトレーニングでは手のひらとつま先で体を支えます。手のひらと上半身を繋ぐ関節には手首、肘、肩があり、この全てにおいてブレを生じさせないように意識しなければなりません。