それでは剣道をするにあたり鍛えておきたい、必要な筋肉を挙げてみましょう。
上腕二頭筋・上腕三頭筋・三角筋
上腕部の前面後面、そして肩まわりの筋肉で、肘関節の屈曲にかかわる筋肉です。
これらの筋肉を鍛えるには腕立て伏せやバーベル・ダンベルを使用したトレーニングが適していますが、先にも述べた通り素振りなど長年の稽古を経て自然と鍛えられていく筋肉なので過剰に鍛え上げる必要性はあまりありません。
「二の腕だけ太い」というのは剣道をやっている人に多く見られる身体的特徴のひとつです。
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腹筋・背筋
腹部にある腹直筋や腹斜筋、背中の広背筋や脊柱起立筋は剣道において下半身の筋肉に次ぐ重要な筋肉といわれています。
素振りの鋭さ・力強さは腕力よりこれらの筋肉の影響が大きいでしょう。また、腹筋・背筋が弱いと相手との打ち合い・つばぜり合いなどの時に力負けしてしまいます。打たれ強い体は体幹を鍛えなければ得られません。
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臀筋群・大腿筋群
下半身強化のメインターゲットとなる筋肉で、足の動きに大きく関与しています。特に大腿部前後にある大腿四頭筋とハムストリングは「体を前に押し出す」という動作で最も重要な役割を果たします。
これら臀筋群と大腿筋群をセットで鍛える事により、俊敏かつ力強い踏み込みが可能となります。
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下腿三頭筋
下半身強化でもうひとつ忘れてはいけないのがこの筋肉。所謂「ふくらはぎ」部分です。
下腿三頭筋は足首を屈曲させる筋肉群の総称で、腓腹筋とヒラメ筋から構成されています。こちらの筋肉は体を高速移動させる為のトップギアだと考えてください。下腿三頭筋を鍛える事で、より安定した構えと素早い足さばきを体得する事が出来ます。
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剣道上達の為の筋トレ法
剣道に必要な各種筋肉を知ったところで、次はその効果的なトレーニング方法を実践してみましょう。
下半身強化・スクワット
- 肩幅と同じ程度に足を開き、つま先は真っ直ぐ前に。
- 両手を肩の位置まで上げ、真っ直ぐ伸ばす。
- 股関節部分からゆっくりと腰を落とす。
- 太腿と床が水平になったら、ゆっくりと元の姿勢に戻す。
- 1~4を15回程度ワンセットで、3~5セット繰り返す。
4で元の姿勢にまで膝を伸ばさずに再び1から繰り返す事で、より筋肉への負荷をかける事が出来ます。
また上記の動作が上手く出来ない人は、椅子を利用したボックススクワットなどから始めてみてください。
下腿三頭筋強化・スタンディング・レッグカール
- 壁の前に立ち、片手を壁につける。
- 膝を曲げ、足を上下させる。
- 左右交互に15~20回程度を2~3セット繰り返す。
比較的負荷の軽いトレーニングなので、子供や高齢者の方でも容易に実践出来ます。
このスタンディング・レッグカールじゃ物足りない!という上級者には次の筋トレがおすすめです。
下腿三頭筋強化・カーフレイズ
段差を利用し、踵を浮かせたり沈ませたり交互に繰り返すトレーニングです。片足をもう片方のふくらはぎに引っかけて行うと、より負荷がかかります。
レッグカールに比べてかなりハードなトレーニングです。そのぶん怪我もしやすいトレーニングなので、くれぐれも無理のない程度にトレーニングを行ってください。
剣道上達に筋トレは必要不可欠
結論からいえば、剣道にも筋トレは必要です。本格的に極めていきたいのならば必ず筋肉が必要となるでしょう。成績で伸び悩んでいる人はまず自分の弱点を分析し、その部分を筋トレで補っていくのがベストだと思います。
またその際には必ずクールダウン・ストレッチ等を行い、筋肉疲労を緩和してあげてください。スポーツに必要な強くしなやかな筋肉を作る為に欠かしてはいけない事です。
また、骨格が未成熟な成長期の子供には過度な筋トレは禁物です。余計な筋肉が付く事で動作に妙な癖がついてしまったり、それが原因で体を壊してしまう可能性があるからです。
剣道は子供からお年寄りまで、幅広い年齢層が楽しめるスポーツです。競技としてはもちろん、生涯の趣味として末永く剣道を楽しむ為にもしっかりとした体作りをしていきましょう。