僧帽筋とは?
僧帽筋は首から肩、背中を覆っている筋肉です。ラグビー選手や格闘家、特にレスラーなどは僧帽筋が発達している印象があります。
僧帽筋の主な役割は次の通りです。
- 肩甲骨をコントロールし、腕や肩の動きを周囲の筋肉と連動して作り出す。
- 背中から首を起こし、背筋を伸ばす。
腕や首を常に支えている僧帽筋
僧帽筋は腕と肩甲骨を首から吊り下げるような構造にもなっているため、腕や首を常に持ち上げています。
横になって休まない限り、僧帽筋は腕や首を支えなくてはならないのです。
そのため疲労が溜まってくると肩がこってしまいます。
立っている間、ふと腕を組んだり手を腰に当てることがありますが、これらの動作は僧帽筋の負担を少しでも軽減するためのアクションです。
つまり、僧帽筋を鍛えてあげることで肩こりや首回りの疲労感を抑えることが出来ます。
男性ホルモンと僧帽筋
もう一つ、僧帽筋にまつわる面白い話があります。男性ホルモン(テストステロン)との関係です。
男性ホルモンによって、男性は女性より筋肉質な体になります。
この男性ホルモンが最も影響するのが肩や腕周りの筋肉であるようで、アナボリックステロイドやテストステロンを投与するドーピングを行うと、僧帽筋がかなり筋肥大します。
格闘家やボディビルダーなどで、あまりに僧帽筋が発達している人はドーピングを疑われる羽目になるという訳です。
スポーツ選手が僧帽筋を鍛える必要性
僧帽筋のトレーニングは、トレーニングに慣れている方から見ても少々マニアックです。
上述したラガーマンやレスラーのように、そこにハードヒットがあり、鎧として鍛えなければいけない人は僧帽筋を鍛えるでしょう。
しかし同じアスリートでも、サッカー選手や野球選手で僧帽筋が肥大している方はあまり見掛けません。
野球選手は投げる時に肩を使いますが、僧帽筋はあまり関係がないようです。
むしろ肥大してしまうと肩の回転が窮屈になりデメリットの方が多いのでしょう。ダルビッシュを見ても、大谷を見ても、イチローを見ても僧帽筋は目立ちません。
様々なトレーニングの中で、僧帽筋も同時に鍛えられるという面もあるのでしょう。
ゆえに僧帽筋を鍛えるメニューは僧帽筋に特化したものが多いのです。
僧帽筋のトレーニング、シュラッグ
代表的な僧帽筋のトレーニングといえばシュラッグ。このメニューは僧帽筋を鍛えるためのメニューです。
シュラッグはバーベルやダンベルなどのウエイトを持って行います。
両手で持ったウエイトの上げ下げを僧帽筋だけで行うというトレーニングです。
バーベルシュラッグ
- 足を肩幅程度に開いて、胸を張って直立します。
- バーベルは肩幅よりもやや広い部分を握りましょう。
握りは順手・オーバーハンド・グリップで、腕を伸ばし、大腿位置でキープします。 - 息を吸いながら肩を目一杯引き上げ、限界に達したら息を吐きます。肘は曲げません。
- てっぺんで1〜2秒間静止し、筋肉を収縮させます。
- 負荷を感じながらゆっくり肩を下ろし、元の位置に戻ります。
10回×3セット実施します。
バーベルシュラッグのポイント
全体を通して正しい姿勢、背筋を真っ直ぐに保ちます。
肩は出来るだけ後方に引き、胸を張った状態で肩の上げ下げをしましょう。
極端に重いウエイトで行うのは避けましょう。
負荷が掛かり過ぎると姿勢が悪くなる上、僧帽筋の可動域も小さくなってしまい、思ったような効果が得られない可能性が高いです。
シュラッグは可動域の広さが重要です。
ダンベルシュラッグ
- 両手にダンベルを持ち、肩幅程度の足を開いて直立します。
- 体の側面に両腕を伸ばしてダンベルを下げます。
- 息を吸いながら、肩甲骨を寄せ、両肩をすくめるように引き上げます。
- 限界まで引き上げたら1〜2秒ほど静止し、息を吐きながら肩を下げます。
10回×3セット実施します。
ダンベルシュラッグのポイント
コツは大きくバーベルシュラッグと同じです。
バーベルシュラッグは全部にウエイトをぶら下げるため、人によっては肩を引き上げる時のフォームが前傾してしまう可能性があります。
そういう方にはダンベルの方がやりやすいでしょう。
どちらも実施しなければならないのではなく、あくまでバーベルかダンベルか、やりやすい方で取り組めば良いでしょう。
ハンドスタンドプッシュアップ
最後にご紹介するのは、腕立て伏せの応用形で僧帽筋を鍛えるハンドスタンドプッシュアップです。
簡単に言うと逆立ち状態で行う腕立て伏せです。
動画を見てやり方を確認しましょう。
- 壁などにもたれかかりながら逆立ちを行います。手をつく位置は肩幅よりやや広め。足は伸ばしましょう。
- 肘を曲げ、出来る限り体を深く下げます。
- 反動を使わずにゆっくり肘を伸ばし、元の位置に戻ります。
ハンドスタンドプッシュアップのポイント
通常の腕立て伏せとは違い、ほぼ全体重が肩と腕にかかるので、無理せずに行いましょう。
肘を曲げるので腕に意識が行きがちですが、肩を意識するのがコツです。
まずは5回、出来たら10回と徐々に回数を増やします。
僧帽筋を鍛える、鍛えないは好みや必要性に応じて違ってきますが、健康面だけを考えれば多少なりとも意識した方が良いでしょう。是非トライしましょう。
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