俊敏性向上トレーニングとしては、子どもから大人まで簡単に取り組める「ラダートレーニング」の人気が高まっていますが、ドットドリルはラダーのような道具を必要としないため、試合直前のウォームアップとしても最適です。
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ドットドリルの基本動作
- 前後移動・足開閉:下段ドットに両足を乗せ、続いて両足を揃えて中段、再び開いて上段、前を向いたまま中段、下段を繰り返す。
- 前後左右移動・片足:右足で下段右側ドットに立ち、中段、右上、左上、中段、左下、右下に戻るのを繰り返す。左足も同様。
- 前後左右移動・両足・閉脚:両足を綴じた状態で2.の動きを繰り返す。
- 方向転換・足開閉:1.の動きで上段へ移動後、ジャンプしながら後ろ向きに方向転換し、下段に戻ったら再度方向転換。
【ポイント】
ロースピードで動きに慣れたら徐々にスピードアップさせます。
素早い動きを繰り返すことで俊敏性が向上するのです。
ドットドリルマットは作れる!
ドットドリルは文字通りドットを使ったトレーニングですが、ドットドリルマットは必ずしも必要ではありません。一般的なドットドリルマットのサイズは90cm×60cmほど。このエリアにビニールテープなどを使って5つのマークをつければドットドリルが可能です。
石川選手のようにトレーニングを繰り返しているアスリートは、わざわざドットを置かずとも体がおおよその位置を覚えてしまっているかもしれません。そうなれば場所を選ばずトレーニングを行うことができます。
卓球が強くなるためのドットドリル
ラダーを使わずドットドリルマットを使うのには、手軽さ以外にもうひとつのメリットがあります。
ラダーはある程度の長さがあり、俊敏な動きをしながら前進していくのが基本動作となりますが、卓球の試合においてラダーのような長い距離を前進していく動きはありません。ラダートレーニングでの動きは競技中必ずしも必要ではないのです。
一方ドットドリルでは90cm×60cmという比較的狭い空間の中での俊敏な動きが要求されます。卓球台の短辺はおよそ1.5mですから、腕の長さを加味するとドットドリルの動きは実際の競技に非常に近いといえるでしょう。
実際の競技の動きに即したトレーニングを取り入れることで、向上した俊敏性をスムーズに競技に活かすことができるのです。
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卓球の動きを意識したスクワット
このトレーニングもトレーナーの指導のもとで行っていたものです。足の動きはスプリットスクワットジャンプやレッグランジと類似していますが、ゆっくりとした動作が特徴のこれらと比べると石川選手のトレーニングはよりスピーディーに行っている印象があります。
つまり、卓球の実際の動きに即した形に応用させていると考えられます。スクワットやランジの筋力トレーニングとしての側面と、アジリティートレーニングとしての側面を併せ持つ動きといえるでしょう。
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スプリットスクワットジャンプの基本動作
- 足を前後に開く。スタンスは広めにとる。
- 重心を徐々に落とし、前膝が直角になったら動きを止める。
- 腕は胸の高さ、床と平行に組む
- 前太腿の筋肉を意識しながらジャンプし、足を入れ替えて着地する。
- 2.の姿勢になったら再びジャンプ。これを繰り返す。
【ポイント】
上体は地面と垂直に保つ(前後にブレると負荷が変わってしまう)
膝や足先は真っ直ぐ保つ
石川選手が取り入れていたスクワットは上半身と連動!
石川選手が行っていたトレーニングは卓球に必要な動きをプラスしたスクワットです。
- 両足は肩幅より少し広めに開く
- 軽くジャンプして上体を右に向けながら着地する。右足のつま先は右に真っ直ぐ。右膝は90度になるように沈み込む。
- 素早くジャンプして1.に戻る。
- 軽くジャンプして上体を左に向けながら着地する。左足のつま先は左に真っ直ぐ。左膝は90度になるように沈み込む。
- 素早くジャンプして1.に戻る。
【ポイント】
上半身の捻りと下半身の動きを連動させるます。
沈み込んだら素早く次の動作に切り替え、右、前、左、前とリズミカルに行うのがポイントです。
石川選手のスクワットでなぜ卓球が強くなる?
卓球選手の足元を見てみると、常に小刻みにジャンプを継続していることが分かります。またサイドに移動する際は両足のスタンスをあまり変えずに小刻みに移動している選手が多いのです。また、ボールを打ち返すときは下半身の力を使わず、上半身の捻りをうまく使っています。
石川選手のスクワットでは上半身の動きに合わせて前足つま先がしっかり進行方向を向きました。これによって上半身を更に後ろまで捻ることができ、その反動を使ってボールを力強く打ち返すことができるのです。
スクワットによる下半身強化はもちろんのこと、卓球に必要な上半身の動きをステップと無理なく連動させることで、バランスを崩すことのないスムーズなフットワークを身につけているといえるでしょう。
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石川佳純選手の敵は石川選手自身
後悔をしないために、才能に驕らず努力する道を選んだ石川佳純選手。努力すれば必ず結果がついてくる、という希望を見据えているわけではなく、ただ勝つために、負けたときに言い訳しない自分でいるため、トレーニングに励んでいます。
【インタビュー】今季初優勝の石川佳純「試合が終わってからもトレーニングはしていた」#石川佳純 #卓球 #インタビュー https://t.co/EPThVf8tZY
— テレビ東京卓球情報 (@tvtokyo_tt) 2017年8月31日
優勝してもそこで満足はしません。卓球シングルスは個人競技。次々と若手が育ち勝ち上がってきます。しかし石川選手は自らを若手と比較するのではなく、かといって同レベルのライバルと比べて必死になっているわけではないのです。
あくまでも「今の自分」に足りないものを補うために、日々トレーニングを続けています。だからこそ今はあまり取り入れられないウエイトトレーニングも積極的に行ってきたのではないでしょうか。
そしてウエイトが増してから動きが緩慢にならないように、アジリティートレーニングも欠かさなかったのだと考えられます。
卓球で強くなるには石川選手のトレーニングの中から、自らに足りないものを補えるメニューを選ぶといいでしょう。そしてウエイトだけ、体幹だけ、俊敏性だけに偏らないトレーニングフローを構築することが重要です。
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ITTFワールドツアーシングルスで世界最年少優勝を果たした張本智和選手もまた、ウエイトトレーニングを取り入れている選手のひとりです。また他競技で取り入れられているトレーニングメニューをうまく導入しています。
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